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『……真の道、か。仕方ねーな』
『さすが、あたしらのパパだねェ。真らしいじゃん』
二人はどこか懐かしげに微笑んでいる。
『ああもう!真、お前は好きに生きろ。佐倉でも柊でも好きにしろ』
『そ、空くん?!』
『ただ、死んでくれるなよ』
ぐしゃぐしゃと乱暴に、あたしの頭を撫でて空くんは少しだけ寂しそうに笑った。
『死にさえしなけりゃ、真の尻拭いくらいしてやるから。真は真の信じる道を全力で生きていけ』
『空くん……』
『まァ、あたしは最初から反対なんかしてなかったけどねェ。アンタは頑固だから一度決めたら曲げないの分かってるしィ』
今、分かった。
あたしのKYは遺伝だ。
だって純ちゃんがそうだもん。
この感動的な場面で、呑気な発言をしてケラケラと笑ってるなんて。
さすがだよ、マイシスター。
『ありがとう、空くん』
『は?あたしはァ?』
『……純ちゃんも』
あたしの言葉に満足したのか、純ちゃんはニヤニヤと笑って鏡を覗き込んでいる。
この酔っ払いめ。
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