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『その、なんだ、ヤクザと関わったりして大丈夫なのか?』
『……多分』
『多分って真!他人事じゃないんだよォ?』
『んー』
むしゃむしゃと美羽が買っといてくれた綿飴を食べながら、さっきまでの出来事を話した。
二人とも、凄く心配そうな顔をしている。
美羽に至っては今にも泣き出しそうな顔をしている。
『正直な話、私は関わりたくないし、真にも関わって欲しくないよ。取り返しのつかない事になりたくないしな』
まどかの射るような真っ直ぐな瞳に綿飴を食べていた手を止める。
『美羽もやだ…。怖いもん』
きゅっと手を握られる。
『……そうだよね。もう会う事もないし大丈夫だよ』
『そうか。とにかく真はもっと気をつけろよ』
『うん、ありがと』
『まったく…、真も美羽も無防備というか無用心というか』
まどかは苦笑いしながら、ポテチに手を伸ばす。
『だから、まどかがいなきゃダメなんだよォ』
美羽はオレンジジュースを手に取り、にっこり微笑む。
そう。
そうだよ。
あたしは平凡な学生。
美羽やまどかとくだらない事して笑って、それが日常。
やっぱりヤクザとなんて住む世界が違うよ。
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