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酒は呑んでも呑まれるな。
コレは本当に素晴らしい言葉だと思う。
いや、マジでね。
『おら、芳樹呑めよ』
『おい、真お前、酔いすぎ。落ち着けって』
『るせんだよ!あたしの生き方に口出してんじゃねーよ』
『スケールでけぇ』
カジくんは面白そうにあたしを見ている。
あたしは見せモンじゃねぇ!
『まっ真、どうした。落ち着こう、な?水でも飲むか?』
まどかに宥められても、あたしは収まれなかった。
不覚。
その時でした。
『芳樹さん!!!』
『どーした』
『大変です!!表に三島のモンが!!』
あたしはこの時に無理矢理にでも帰して貰うべきでした。
まさかあんな事になるなんて、誰が予想できたでしょう。
――――――…………
――――バンッッッ
『失礼させて頂きますよ』
ズカズカと上がって来たのは、三島組のやつら。
美羽とまどかは下がるように言われて、麗さんと一緒に隅にいる。
『まっ、まこっ、来い』
まどかに呼ばれてるのも気付かず、あたしはひたすらに真ん中でお酒を飲んでいる。
手酌上等じゃー!
『おめーら、何の用だ』
芳樹が聞いた事もないような怖い声を出す。
『テメーに用はねぇんだよ。柊組の組長さん、この度はおめでとうございます』
『……何しに来た』
組長さんはタバコに火をつけ、三島組を睨み付ける。
『そんな怖い顔しないで下さいよ、柊さん。今日はねお祝いを持って来たんですよ』
三島組の兄ちゃんはボロボロになった男を投げ捨てた。
『『『シン!!!』』』
どうやらその彼は柊組の人みたいで、みんながそいつに駆け寄って行った。
『昨日の祭りでね、ウチのモンとやり合ったみてーで。始末しようかとも思ったんですが、お祝いに持って来ましたわ』
ニヤリ、
気持ちの悪い笑みでそいつは笑ってみせた。
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