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『お前何か勘違いしてね?』
『え?』
『組っつーのは…』
目の前の兄ちゃんが説明をしようとした時だった。
――――――パーン……
そんな軽い音じゃなかったかもしれない。
でも突然の出来事すぎて、頭なんか働かなかった。
彼に抱きしめられて、しげみの中に転がる。
『ちょっ…何なのよ!?』
『くそ、三島の奴らか』
『………ッいった』
足を見ると擦りむいて血が出ていた。
『大丈夫か?』
『うっうん、大丈夫』
彼はそれを聞くとホッとしたような顔をして、電話をかけはじめた。
『――おう、俺だ。今すぐ迎えに来い。5分以内だ』
彼はあたしを抱き上げる。
『うわ、きゃっ!おろせ!重いし歩けるし離せよ!』
『うるせぇ、黙れ』
彼のドスのきいた声で、あたしは黙った。
何なのだろう。
もしかしてさっきのって。
ははははは発砲されたァア……?
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