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ショウ。
なおくん。
疑惑ばかりだ。
なにを信じたらいいのか。
誰を信じたらいいのか。
『真?』
『あ、芳樹』
『何やってたんだ?おせェからよ』
『……ごめん』
得体の知れない恐怖でいっぱいになりながらソファーに座っていたら、芳樹がピッタリ隣に座った。
『何があった?おめェ、ここ来てからおかしいぞ』
『………そう、かな?』
『昼間、今と同じ顔してた』
芳樹……。
どうしよう。
芳樹の大事な仲間のなおくんが怖い。
もし、
あたしの考えが
当たってたら……?
『俺に隠し事たァ、いい度胸してんじゃねーか』
『……』
『言ってみろ。俺が3秒で解決してやる』
『………じゃあ、質問』
『おう』
大きく息を吸い込む。
落ち着け、あたし。
『……ショウが、柏木組の生き残りって可能性は?』
『ない』
『早ッ?!えっ、ちゃんと考えた?!』
『そんだけ元気だったら大丈夫だな』
クツクツと楽しそうに笑う芳樹。
な、なんか。
恥ずかしーんですケドォー。
『俺なりに、真の親父さんの事は考えてた。だけどショウは中学卒業してすぐ三島に入ってる。計算が合わねェよ』
『……そっか』
ギュッと手を握りしめる。
『じゃあ、なおくんが柏木組の生き残りって可能性は――……?』
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