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『それが答えじゃないのか?』
そうだ。
これが答えだ。
あたしの答えだ。
『あははっ!まどか、ありがとう』
『……?』
『あたし、まどかも美羽も大好きだよ!柊組も大好きだよ!』
『ああ、私もだ』
『芳樹が好きだよ。ずっと傍にいたい』
『ああ』
『そして守りたい。守られるだけの女じゃなくて、守ってあげたい』
あたしは女だから力は弱いけど。
女って生き物は強い。
女には
愛する者を守り抜く強さがある。
だから
あたしは
『この世界で生きて行く』
みんなを守れるように。
それがあたしの答えだと思うから。
『真が決めたならそれでいいさ』
『まどか、ありがとうね』
『お前、水臭いぞ』
『えっ、臭い?!?!』
****
芳樹 SIDE
『完っ全に出て行くタイミング逃した』
『ええ、そうですね』
クスクスと笑う鉄。
二人がベランダにいるからと、鉄と来てみたらそんな話の真っ最中。
この通り、声をかけるタイミングを逃してしまった。
これじゃあただの盗み聞きじゃねェかよ。
『でも良かったじゃないですか。美咲さんの気持ち、聞けましたね』
『……るせェ』
『不安で仕方ない度に八つ当たりされては、こちらの身がいくつあっても足りませんからね』
悪戯っ子のような鉄の微笑みに俺の顔は勝手に赤くなりやがる。
チクショウ。
『もう少ししたら声をかけますか?』
『ああ、そうだな』
今日の星、綺麗じゃねェか。
なんてガラにもねぇ事を思って頷いた。
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