11

5/6
前へ
/141ページ
次へ
『…えと、質問なんですけどォ』 おずおずと手を挙げる。 『なんだ?』 何故かまどかに返事をされる。 いやいや、今あたし組長さんに向けて言ったんだけどナァ。 『佐倉組って、どうしてるんですか?』 『ああ。佐倉はなァ、今は昔と違ってテメーのシマを守るように細々とやってる』 『あの、あたし佐倉組に行きたいです!』 『………えっ』 組長さんの"えっ"って初めて聞いた。 『真ちゃん、いいのか?危険な目に合わないように苗字まで変えてたんだろう?』 『……パパの事も知りたいし、何か生き残りについての手掛かりもあるかもしれないし、行きたいんです』 『危ない目にあうかもしれねェ。それでもいいのか?』 『いいんです』 思わず笑みが零れる。 あたし、バカだ。 早くこうしてればよかった。 『今更、あたし苗字隠してたって意味ないじゃないですか』 『ま、まァな』 『ショウにタンカ切っちゃったし、もう狙われてます。パパの事もバレてますし』 なにげなく芳樹を見ると、ニヤと笑っていた。 『今あたしが動かなきゃ、誰も守れないと思います』 『…ほう?』 『大切な人達を守りたい、です』 『分かった。場所を教えよう』 はぁあぁあ…、よかった。 本当は組長さんの視線にチビりそうだった。 マジ迫力ありすぎ。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1184人が本棚に入れています
本棚に追加