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『…えと、質問なんですけどォ』
おずおずと手を挙げる。
『なんだ?』
何故かまどかに返事をされる。
いやいや、今あたし組長さんに向けて言ったんだけどナァ。
『佐倉組って、どうしてるんですか?』
『ああ。佐倉はなァ、今は昔と違ってテメーのシマを守るように細々とやってる』
『あの、あたし佐倉組に行きたいです!』
『………えっ』
組長さんの"えっ"って初めて聞いた。
『真ちゃん、いいのか?危険な目に合わないように苗字まで変えてたんだろう?』
『……パパの事も知りたいし、何か生き残りについての手掛かりもあるかもしれないし、行きたいんです』
『危ない目にあうかもしれねェ。それでもいいのか?』
『いいんです』
思わず笑みが零れる。
あたし、バカだ。
早くこうしてればよかった。
『今更、あたし苗字隠してたって意味ないじゃないですか』
『ま、まァな』
『ショウにタンカ切っちゃったし、もう狙われてます。パパの事もバレてますし』
なにげなく芳樹を見ると、ニヤと笑っていた。
『今あたしが動かなきゃ、誰も守れないと思います』
『…ほう?』
『大切な人達を守りたい、です』
『分かった。場所を教えよう』
はぁあぁあ…、よかった。
本当は組長さんの視線にチビりそうだった。
マジ迫力ありすぎ。
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