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さっきのいかつい兄ちゃん(ゲンさんって言うらしい)にキンキンに冷えた麦茶を出されて、思わず一気してしまった。
麦茶うめェ。
『プハーッ、美味しい』
『ハハハ!良かった!外は暑かったろ?』
『はい!もうだから麦茶が五臓六腑に染み渡りますよォ』
豪快に笑うゲンさん。
人は見かけで判断しちゃならないね!
すげェいい人だ。
『……すまない、待たせたね』
仲良く談笑していた所に、ビシッと高そうなスーツをキメた人がやって来た。
し、渋い……。
『こちらこそ突然邪魔してすいません』
『おお、芳樹か。久しぶりだなァ』
笑うと人懐っこい顔になる佐倉組の組長さん。
パパが生きてたら、この人と同い年くらいなのかな…?
『こちらのお嬢ちゃんは?芳樹の女かァ?ったく、色気づきやがって』
『ああ、俺の女だ』
『ちげーよ!誰がテメーの女だよ』
うう……、またやってしまった。
てゆーか!
もはやこのやり取りはお約束になりつつあるんじゃないだろうか。
『おー、威勢のいい子だね。私は嫌いじゃないよ。さて、そろそろ本題を聞かせてくれないか?』
その言葉に芳樹はあたしを見る。
ゴク、と唾を飲み込む。
何とも言えない緊張感が、あたしの体を支配していた。
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