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『……って訳なんです』
『そうでしたか…』
ショウの事。
生き残りの事。
直くんの言動の事。
あたしの知る全てを組長さんに話した。
組長さんは何か考えるような仕草をして、タバコに火を付けた。
『真さんが全て話してくれたようだから、私も私の知る全てをお話しましょう』
『おねぎゃいします』
噛んだ。
噛んじまった。
ついついこの緊迫した空気にヤられて、噛んでしまった。
『ハハ、この通り歳をとると話が長くなってしまいましてね。どうぞ楽にして、聞いて下さい』
そう優しく言われて、あたしのキモチもいくらか楽になった。
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『あの日、剛喜さんと柊の組長さんは柏木の今後について話していました。
3大勢力とまで言われた柏木がヤクを使ってセコセコと稼いでたと表に知れるのは、避けたい。
筋を通させて、手を引かせようと話していたのです。
しかし、それにより勢力を失う事を恐れた柏木はスナックで男を雇い、あの事故を起こさせた。
残念ながらその時の事はアナタが記憶を取り戻す以外、知る術はありません…。
それから柊が、柏木を潰しました。
当時の佐倉は剛喜さんを失って、お恥ずかしい話ですが、反撃する余裕すらなかったんです。
情けないでしょう…?』
組長さんは悲しげに笑うと、タバコを揉み消した。
あたしはというと胸が詰まって言葉が出なくて、ただただ首を横に振った。
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