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『実はここ最近、若いモン達が闇討ちされてまして』
『本当か?!』
あたしより先に芳樹が口を開いた。
闇討ち。
こ、怖いィィィイイイッッ!!!
『皆、口を揃えて言う事は、黒いマスクで顔は見えなかった。そして』
『そして…?』
『恨むなら佐倉を恨め、と言い残していったという事です』
恨むなら佐倉を恨め……?
それって確実に"柏木の生き残り"じゃないの……?
ついに、掴めそうな所まで来てる。
なのに怖い。
『あ、あのォ…』
『はい?なんでしょう?』
『その、怪我をした人達は大丈夫ですか?どれくらいで治るんですか…?』
『!……、真さん…』
『え?あたしまた何かマズイ事を言ってしまった感じですか?』
『いえ、そうではなく。真さんは剛喜さんに似ていらっしゃる。剛喜さんもまず一番に怪我の心配をされてました。とても優しいお方でした』
『パパに、あたしが……』
嬉しい。
あたしパパに似てるんだ。
なんか、なんか、照れ臭い。
『皆、命に別状はありません』
『そうですか…、良かったァ』
それにしても、闇討ちか。
どうにかこれ以上、傷つく人を増やしたくない。
そしてもう傷付け合わないで欲しい。
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