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『こんにちはー!』 あれから数日後。 あたしはまた佐倉組を訪れていた。 電車に乗って、今度は一人で。 『真さん、いらっしゃい!外は暑かったろう?』 『あ、ゲンさん!中は涼しいね~っ。外ヤバイ。温暖化ヤバイ』 『ハッハッハッ、まぁ入って下せェ。頭がお待ちです』 ミュールを脱いで、ペタペタと廊下を歩いてミキさんの元へと案内された。 『真さん、よくいらっしゃいました』 『いやいや、こちらこそスミマセン』 『早速ですが、どうぞコチラです』 実は今日あたしが佐倉組に来たのには、ハッキリとした理由がある。 "剛喜さんの形見をお渡ししたいのですが、都合のよろしい日に一度お越し頂けませんか?車をやりますので" こんなメールがミキさんから届いた。 あたしは即効で"明日行きます!"とメールを送って、今に至るっちゅー訳。 『………コレは…』 『10年前に形見分けしてしまいまして、これだけが残ったんです』 『コレ、剣ですか?』 『………。あの、空さん達から形見について聞いた事はありませんか?』 『え?ないです』 てゆーか、コレが剣なのかどうか教えて。 剣なの? なんなの? 銃刀法なんたらとか大丈夫なの? やっぱそういう所、ヤクザさんなの? 『そうですか…。空さんも純さんも、形見をお持ちのはずなんですが』
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