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原田、永倉、斎藤までもが雪緒の言葉を待っているように感じた。
「傷は、残ってるし、治らないと思う。」
ため息を吐きながら答えると、原田の瞳が曇ったような気がした。
直接あの場に居なかった原田だが、意識を失った雪緒の姿を見ている。
その責任を、感じているのだろう。
「治らない傷って………。
ちょっと見せてみろよ。
酷いのか?」
原田に視線を向けていたが、永倉の言葉にハッとなった。
そんなことは、出来るわけがない。
背中の傷を見せるということは、躰を見せるということ。
確実に、女だとバレてしまう。
「はぁ?!
み、見せねーよ!馬鹿!
傷なんか見せて自慢する馬鹿は、そこのデカブツだけだ!」
片手で袷をおさえ、片手でビシッと原田を指差した。
「馬鹿だとー?!
俺ァ馬鹿じゃねー!!」
指差された原田は、いつもの調子に戻ったようだった。
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