万年筆と出逢う

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―ん?なんだこれ。 大学の帰り道。 いつものようにイヤホンを耳に入れ、音楽を聴きながら歩いていると、道の左側にペンのようなものが落ちているのに気付いた。 ―なんだよ。金だったら拾ったのに。 瞬間的には拾う気が全く起きなかったが、それに何か文字のようなものがあることに気付いて、興味を持ってしまった。 拾って、見てみる。 『あ?』 万年筆だった。その真ん中に、赤く“ミチコ”と横長に彫ってある。 何はともあれ地面から拾って手に取ってしまった。 もう一回戻すわけにはいかないよな。 ―はぁ。 今日は夜に、同じ学科のヤツらがうちに飲みに来ることになっていた。 どうすればいいか聞いてみるか。
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