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「おっす、神凪。またやったんだってな」
「何をだ?」
不機嫌な顔。この顔を見れば大抵の人間は逃げだす。しかしこの男、永佐栄吾(ながさえいご)はそんなの気にしない。
「おっさんが道路でお休みしてた」
「…正当防衛だ」
「仕向けたんだろ?」
永佐は魅鬼のクラスメイトで友人Aである。
「今回はあっちが悪い」
「まぁ、神凪が悪い」
噛み合わない会話。
「聞く耳ねーだろ」
「耳ならついてるけど?」
そう言って穴のあいた耳をアピールする。
「はぁ…」
「守(まもる)が来たら守も似たようなこと言うぜ」
「お前ら、いっぺん死ね!!」
「ひどいわ!!貴方、私を騙したのね?」
芝居の掛かった台詞。どれくらい練習をしたのでしょうか。
「…………」
アウト・オブ・眼中。
「ちょっと~神凪く~ん、お~い」
魅鬼の顔面すれすれで手を振る。
「やかましい!!」
そして授業…魅鬼は真面目に寝つ続けた。しかし、彼を注意できる先生は誰もいない。なぜなら彼は寝ていようが、授業をフケようが成績最優秀なのだから。
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