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魅鬼、栄吾、守の三人が普通に歩いていると、至って普通な生徒に見えます。
「なぁ、今日『晴れ』で新しい味のたこ焼きでるってよ。神凪、守行こーぜ」
『晴れ』とはたこ焼き屋の名前である。
「俺パスっ、守と行ってろ」
「なぁ、連れないな。…はっ、まさか、彼女か!?リア充か!?ちくしょ~」
魅鬼はうざいのでスルー。
「ちょっと、悪かった待って。てか、守も何で離れてるの?」
「いや、何の事かわかんないな」
守は少しずつ、栄吾から距離を置きます。
「まったく…」
『お前がだよ!!』
魅鬼と守の華麗なるハモリ。
「じゃな」
「おう」
三人は駅の近くで別れます。
魅鬼の家は駅の裏側に位置する。
魅鬼は進学するにあたって一人、ここに引っ越して来ました。
「ワン!!」
「……」
帰り道―家まであと少し、全速力で走りました。
「はぁ、はぁ…何で犬っころがいるんだ?迷ったのか?」
弱点、そう魅鬼は犬が唯一苦手なのである。
小型なら大丈夫なのだか、中型になるともう、アウト。
三歳ぐらいの頃に手を噛まれ…それ以来、犬に近づくどころか犬すら見れない程の重症である。
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