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晴美
――――……
?…………!!
晴美のぼやける視界に蛍光灯の光が映る
徐々に自分の状況をはっきり理解した晴美は身を起こした
「学校…よね……そうだ……みんなを探さないと…」
ヨタヨタと壁伝いに立ち上がると辺りを見回す
……コトン
「あ…お守り……」
鬼子母神像。
中野春馬…不幸な事故で両脚を失わなければ晴美の義父になるはずだった彼。
どうして晴美に託したお守りが鬼子母神像だったのか…今はもう聞くことは出来ない
晴美は彼に渡され返せないままになってしまったお守りを拾った
公園の火災…不自然すぎる彼の死…さっきの夢を思い出す
ヒタ…ヒタ…
「誰!?…尾崎くんなの?阿辺さん!?………なか…の…」
微かに聞こえる足音、気配
晴美は足音が素足のものである事を認めたくなくて
思い浮かぶ生徒の名前を
呼びながら
昇降口の方を振り向いた
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