晴美

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  ドンッ!! <アガアァッ!!> 晴美は絶叫する自分の声で我に返るとお守りを拾ったまま握る手で女を突き飛ばした 女が一瞬怯んだのを見ると晴美は廊下を奥へと全力で走る ガタガタッ…ガタガタッ… 「っ…ど…どおして!!…どの部屋も!!…開かないの……よ!!」 後ろを確認する事が出来ずに廊下に並ぶ教室の引き戸を開けようと晴美は毒づく 「階段!!…上の竹内くん達と合流出来るかも……」 晴美は廊下の先の階段を上ろうと手すりを掴んで先をみた 「ヒィッ……ぁ…マ…リー…さん… わた…し…どうし…て……」 ガクガクと奥歯がぶつかりながら晴美は声を振り絞り、階段の踊場に人形を大事そうに抱く女に問いかける 女はゆっくりと晴美を見る <ソレハネ……> ヒタ… <ワタシノネ…>   ヒタ… 階段を一段ずつ降りてくる女 <アカチャンガネ…>     ヒタ… 「ヒッ……こ…こ…こないで!!」
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