日常がぶち壊された日

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その後ろを走るのは、笹原静喜(ササハラシズキ)。 軽く癖のかかった青色の髪に、おんなじ色の優しげな瞳 心地好く澄んだアルトボイス 知力も体力も常に平均値な、いたって普通の男子高校生。 家がお隣同士の私たちは、いつも揃って登校する それはもう習慣みたいなもので、恋愛感情とかでは無いので 悪しからず 「ハイ、ラストスパート!」 「ぎゃーー!」 つい先日自転車をぶち壊した 静喜は、走って登校 しかし、いつも私たちは自転車で疾走しギリギリセーフなタイプ(遅刻常習犯とも言う) なので、低血圧な上に走りの静喜は朝から嘆きに嘆く 幸い、遅刻間際なので静喜の叫び声に驚き振り返る人はいない 「ちーちゃん、あ、あと30秒…」 何が、とは聞かなかった 聞けなかった。 校門まで約200m 冷や汗を垂らしながら、ペダルを全力で踏みつけた
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