日常がぶち壊された日

4/27
前へ
/70ページ
次へ
二年三組 そのプレートが下がる教室のドアを焦りながら潜る 「お早う。毎朝毎朝懲りないねぇ、千歳ちゃん」 途端、澄んだ柔らかい声が耳を貫く その言葉に軽く脱力した 「マコ~…朝の第一声がそれって酷い~」 「だって本当のことだもの」 教室に入るなりシビアな言葉を吐いたのは白木真琴(シラキマコト) クラスでも一番の仲良しの子だ ニコニコニコニコ、垂れがちの瞳に緩やかなウェーブのかかった栗毛 その姿は、さながら童話物語のお姫さまのよう 常に絶やさない笑顔の彼女だが、中身は結構毒舌だ 基本的にはおとなしくて優しいんだけど 「ほら、先生来ちゃうよ。 早く席に着かなきゃ」 そう離れていない席へ、マコは私を押す はーい、と素直に言っては、 今日は少し重い鞄を机に置いた
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加