14人が本棚に入れています
本棚に追加
二年三組
そのプレートが下がる教室のドアを焦りながら潜る
「お早う。毎朝毎朝懲りないねぇ、千歳ちゃん」
途端、澄んだ柔らかい声が耳を貫く
その言葉に軽く脱力した
「マコ~…朝の第一声がそれって酷い~」
「だって本当のことだもの」
教室に入るなりシビアな言葉を吐いたのは白木真琴(シラキマコト)
クラスでも一番の仲良しの子だ
ニコニコニコニコ、垂れがちの瞳に緩やかなウェーブのかかった栗毛
その姿は、さながら童話物語のお姫さまのよう
常に絶やさない笑顔の彼女だが、中身は結構毒舌だ
基本的にはおとなしくて優しいんだけど
「ほら、先生来ちゃうよ。
早く席に着かなきゃ」
そう離れていない席へ、マコは私を押す
はーい、と素直に言っては、
今日は少し重い鞄を机に置いた
最初のコメントを投稿しよう!