日常がぶち壊された日

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「ちーちゃん。どうした?疲れた?」 さっきまでゼーゼー息を切らしていたのが嘘みたいな、のほほんとした声が隣からやって来る それは、静喜のものだ 私は右隣の席に腰かける静喜を見た 私たちは生まれてこの方、いろんなものが「お隣」である 家も、生まれた病院のベットも、学校の席も、 更に母親同士が幼なじみときているからもう家族同然 静喜のことは、本人より私が 一番知ってるんじゃないかってくらいに 「…なんでもないよ。大丈夫」 そんな奴は、いつも私に何かしらあると真っ先に気付く(私よりも早い) 人の機微を読み取るのに長けているのか、はたまた長年の知識か。 それはわからないけど、とにかく静喜には色んなものを見通される だからほら、今だって疲れて少しだけ不機嫌なのを見抜かれた そんな静喜は、魔法使いみたいだ、と私は密かに思ったりする
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