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マルスが駆け抜けていった道を反乱軍の皆で塞ぐ。
「生きろよ……
マルス……」
「軍師なら平気ですよ
きっと……」
「あの若さにてあの鬼才
きっと……
マルス坊主ならやりとげてくれますよ」
残っているのは元兵士仲間ばかりだ。
「そうだな……
あいつには辛いもの背負わせるが……
それでも……
生きて欲しい
あいつならきっとやりとげてくれる」
「ええ」
「だろうよ」
マルス……
大切な愛しい弟……
過酷な運命を背負わせる俺を恨んでくれて構わない。
だが……
俺はお前を愛している。
たった一人の兄弟……。
お前をあの世で待っているぞ。
「我は反乱軍リーダー、フォルネート・レイファン!!
誇り高き勇者グラド・レイファンを父に持ち、勇者を愛した女神、ミレーユ・レイファンを母に持つ!!
我らが誇りは貴様らごときに踏みにじられるものではない!!!
戦いの神の名を持つ軍師、マルスが居る限り、我らの意志が潰えることはない!!!
我らはこの命の灯火が完全に燃え尽きるその時まで貴様らと戦う!!!
死にたいものからかかって来い!!!」
王に仕える兵達は弱りきっている反乱軍に苦戦を強いられた。
そして、フォルネート・レイファンと名乗った年若きリーダーは最後の最後まで、地に膝をつかなかった。
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