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ドサッ!!
走り過ぎて足がもつれた。
そのせいで勢いよく地面に倒れる。
膝を擦りむいた痛みで我に返った。
これからのことを考えなければ……
ただ闇雲に走ってもいいことなど何もない。
やるべきことをしっかちと見極め、僕は必ず使命を果たさなければならない。
僕はゆっくりと立ち上がった。
その時
「グルル……」
獣の唸り声を聞き背を氷塊が撫でる。
文献で読んだことがある。
ここはヘルハウンドという黒い犬に似た巨大な魔物が生息していると。
この森の三割近くをその生物が占めている。
そして……
ヘルハウンドのもっとも恐ろしいのは……。
群れで行動し、生物とみなせば一斉に襲い掛かることだ。
僕はゆっくりと後ろを振り返る。
すると……
攻撃的な紅い瞳がいくつも煌き、僕という獲物に狙いを定めていた。
文献通りの犬に似た黒い巨大な魔獣だ。
例え走って逃げたとしてもヘルハウンドから逃げ切れる訳がない。
ヘルハウンドは馬なんかの数十倍の速さを持っている。
絶体絶命の窮地に立たされた。
考えろ!
この危機から抜け出す方法を!!
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