第一章 意志を継ぐ者

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「ねえ! 本当にそんな少人数で行くの!? たった千人人ぽっちが集まった程度じゃ勝てないよ!! 王の兵は十万を軽く超える 暗殺に向かったとしても王の護衛はよっぽどのことがない限り抜けられない 僕の考えうる範囲の中じゃ可能性は皆無だ」 王が父から子へと受け継がれ、治安は一気に悪くなった。 国の人々はある限りの金を搾り取られ、一日を生きるのもかなり難しくなった。 王はその金で贅沢三昧。 当然国の民達の反発も予想しているはずだ。 だが…… このままではこの国の民は息絶える。 分かってる。 分かってるけど……っ。 「ごめんな でも…… 俺は行くよ それに兵の奴らも結構話に乗ってくれた奴も多かったし」 「どうしてもって言うなら僕も戦うよ!!兄さん 戦略考えさせといて僕だけ仲間外れにするなんて言わせないよ 可能性が皆無って言ったけど、奇跡が起こればなんとかななるかもね 全然戦力にならないけど、僕だって強い兄さんの盾ぐらいにはなれる」 「馬鹿たれ」と兄さんに額を指で弾かれた。 地味に痛い。 しかも油断してた分余計に痛く感じる。 兄さんは鋭い目で僕を睨む。 「俺達は自殺しに行く訳じゃねえんだ はなっから死ぬ気の奴は必要ない お前はここで俺達を待っててくれ」
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