第一章 意志を継ぐ者

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だが僕達に選択肢などない。 「兄さん!! 『魔獣の山』しか道はない!!」 「ああ!! 行くぞ!!!」 全員無駄話はせず走った。 ただ、僕はまだ10歳だ。 大人の足の速さには到底ついていけない。 そう思っていた時、フッと体が宙に浮かんだ。 「俺の肩に乗ってな!! お前ぐらいならほとんど何も乗ってないようなもんだからな」 そう言って反乱軍の中で一番力持ちなおじさんはニカッと笑った。 「ありがとう」 僕は素直に礼を言って、おじさんの肩に乗った。 本当におじさんは僕が乗ってもスピードは変わらなかった。 そして山のふもとにくる。 「上からの攻撃に注意して!! 岩を落としてくるかも知れないし上から矢も来ると思う!!」 「さすが天才軍師様だな! 頼りにしてるぜ!!」 「戦闘には頼りにならないけどね」 「ハハハッ! こんな状況でも冗談を言う度胸には感服するぜ !!」 やはり兵が居た。 正面に数十人。
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