第一章 意志を継ぐ者

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そしてこの先を暫く走ると確か少し開けた場所に出るはず……。 そこで僕なら何をするかを考える。 そして開けた場所の草むらで何かが光った。 その瞬間一気に血の気が引いた。 「皆!!戻って!! 駄目だ!!」 だが…… 遅かった。 皆はすでにその場所の中央辺りに居る、 そして一斉に草むらや崖の上から弓兵が大量に現れ、僕達に向かって一斉に矢を放つ。 雨を盾で防げないのと同じように、雨のように降り注ぐ矢を盾一つでは防ぎきれない。 皆の体に矢が次から次へと突き刺さって行く。 最後尾の僕にはそこまで来ない。 まだかわせる範囲だ。 だが中央辺りの皆には逃げ場などない。 次々と倒れて行く皆。 「皆!! 皆!!!!」 声の限りに叫ぶ。 でも無駄だ。 九割以上の皆が矢によって殺され、血に飢えた兵達が自ら僕達に向かってくる。 僕は矢が何度かかすった程度だったが、他の皆は生きていても体のいたるところに矢が突き刺さっている。 とても戦えるような状態じゃない。 そんな僕達に切りかかる兵達は…… 笑っていた。
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