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そしてこの先を暫く走ると確か少し開けた場所に出るはず……。
そこで僕なら何をするかを考える。
そして開けた場所の草むらで何かが光った。
その瞬間一気に血の気が引いた。
「皆!!戻って!!
駄目だ!!」
だが……
遅かった。
皆はすでにその場所の中央辺りに居る、
そして一斉に草むらや崖の上から弓兵が大量に現れ、僕達に向かって一斉に矢を放つ。
雨を盾で防げないのと同じように、雨のように降り注ぐ矢を盾一つでは防ぎきれない。
皆の体に矢が次から次へと突き刺さって行く。
最後尾の僕にはそこまで来ない。
まだかわせる範囲だ。
だが中央辺りの皆には逃げ場などない。
次々と倒れて行く皆。
「皆!!
皆!!!!」
声の限りに叫ぶ。
でも無駄だ。
九割以上の皆が矢によって殺され、血に飢えた兵達が自ら僕達に向かってくる。
僕は矢が何度かかすった程度だったが、他の皆は生きていても体のいたるところに矢が突き刺さっている。
とても戦えるような状態じゃない。
そんな僕達に切りかかる兵達は……
笑っていた。
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