中学からの刺客

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「ミヤビちゃんからどう聞いたか知らないすけど、稲本さん・・・まさか俺にケンカ売ってんすか?」 小妻のこの言葉で、場の空気は一変した。 「ケンカ売ってるつもりはないけど・・・もし売ったらお前は買うワケ?てか最初からその態度といい、元々お前はそのつもりでこのバイトに来たんじゃねえの?」 一触即発なピリピリとした空気になり、オレの顔からもバイト用の穏やかな表情は消えた。 小妻もオレを上から見下ろすように、無言のまま睨みを利かせてくる。 そして、ふとオレの中でひとつの疑問が生まれた。 ミヤビの言ったように、コイツは本当にただのハッタリ野郎なのか? 睨みの利かせ方とか、この場面でも物怖じしない雰囲気とか・・・ 腕力はミヤビ以下でも、全くのハッタリ野郎じゃないかもしれん てか不意討ち専門とか何とか言ってたけど、仮にココでいきなり飛び掛かられたら、合計40kgの小麦粉で両手が塞がってるオレが不利だな てか平気な顔してるけど、実は重くてそろそろシビれてきてたりして(笑) そんな張り詰めた空気の中、カウンターから声が聞こえてきた。 「稲ぴょ~ん!お客さん増えてきたからこっち入って~!」
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