中学からの刺客

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だが聞こえないフリをして、オレと小妻は倉庫前で睨みあったままだった。 そして次の瞬間、その静から動へと場は一気に激化する。 オレはゆっくり小麦粉を床に置き・・・ 臨戦態勢へと・・・ 「稲ぴょん!早く入らないともうセクハラさせんよっ!?」 ・・・ ・・・・・・臨戦・・・態勢へと・・・ 「は~い♪マミさん!すぐ行きます!」 入るワケがなかった。 この声はオレが新人の頃から、ずっと面倒を見てくれてるマミさんの声だ! この女子店員は、人を教えるのにアメとムチの配分が絶妙に素晴らしい1コ上の姉サンである。 まだ人生経験も浅い若き日のオレは、調教済みの奴隷の如く走り出した。 「はいは~い♪稲本今行きま~す♪今行きますよ~っと♪」 「ち、ちょ!?」 小妻が後ろで何やら慌てふためいているが、そんな事お構いナシの気持ち悪いテンションのオレ。 「うほほ~い♪」 倉庫前に残されたのは、呆然とした小妻と投げ出された小麦粉だけであった。 うん、そういやこんなんだったなオレ
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