中学からの刺客

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この日、仕事が始まる時間になっても小妻は出勤してこなかった。 なのでオレは仕方なく先に仕事を始める。 「小妻来ねえなぁ、まさかバックレかな」 その様子を見ていた店長は、見ぬフリをして帰るワケにはいかなかったのだろう・・・ 私服に着替えてもウロウロしながら事務所からオレに話しかけてきた。 「まぁ、バックレてもおかしくないヤツでしたからね。その可能性もあるんじゃないすか?」 「稲本、まさかお前小妻の事イジメたりとかしてねえよな?」 「・・・」 店長は冗談っぽく聞いてきたが、この時のオレは冗談に乗れる程気持ちに余裕がなかった。 ある意味イジメられてんのはオレだぜ こっちがガマンしてても、何かありゃ全部オレのせいにされるからな 「じゃあ、俺は帰るからよ。もし小妻が遅刻して来てもあんまうるさく言うなよ?ヘソ曲げても困るし」 店長はしばらくすると、それだけ言い残して帰ってしまった。 どんだけ、ゆとり教育だよ 相変わらず釈然としなかったが、ようやく1人になれたのでオレは仕事に戻る。 今日ばかりは気分的にマミさんにセクハラする気も起きない。 小妻の事なんか、むしろ気にもしなかった。
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