中学からの刺客

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さて、気持ちよくキメて自分に酔いつつウハウハになってる場合じゃない。 カウンターに出ている女子店員達にバレない為にも、これ以上小妻を騒がせてもいけない。 迅速に動かねば。 オレは小妻が横向きに倒れた瞬間には、すでに距離を詰めていた。 そして小妻の右腕を取ると、肩を支点に背中側に絞り上げる。 さらには簡単に脱出できないよう、ヒザを背中に乗せた。 もはやクセになりつつあるが、ついでに手首も連動して極める。 「て、テメっ・・・あがががが・・・いだっ!・・・いででっ!!」 多少強引に持っていったがここまで極まれば、腕力によっぽどの差がない限り脱け出す事はできない。 そしてオレはヒザで押さえつけると同時に、左手がある程度自由になる。 小妻はうつ伏せのような状態で、顔までもが床にヘバり付いていた。 「黙れ、騒いだら肩折るぞ」 オレは要点のみを端的に伝える。 「いだだっ!汚ねっ!死ね!テメ・・・コラ!」 だが小妻は中々思うように大人しくしてくれない。 そしてたったそれだけの事でも、この日のオレにはイライラが増す要因だった。 「・・・ちっ」 オレは隠そうともせず舌打ちすると、唯一自由な左拳を握った。
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