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後頭部に4発目の拳を振るった時には、小妻はすでに抵抗をやめていた。
怒りに任せて折ろうと思えば簡単に折る事もできただろう。
それぐらい脱力していた。
「メンドくせえから絶対暴れんなよ?」
「・・・ハイ」
皮肉な事に、初めてまともな返事を聞いた気がする。
そこでようやくオレは、極めていた小妻の右腕をゆっくりと外した。
一応警戒だけは緩めず、そのままオレは小妻から少し離れた所に立つ。
小妻も追撃が来ない事を恐る恐る確認すると、ゆっくりと立ち上がった。
「お前さぁ・・・」
オレが話しかけた途端・・・
「稲本さん。すいませんでした!」
『年頃だしツッパるのもいいけど、最低限の常識くらいはわきまえろよ』
って言おうとしたのに・・・
随分と礼儀正しくなったこと
あ、そういえばこの日オレはテンションが激下がりしていたって言ったじゃない?
アレねぇ・・・
前にもチョロッと書いたけど、専門学校の屋上で青空をバックにバックした娘にフラれたのがこの日だったのよ
あ、いや、半分八つ当たりっちゃあ・・・
八つ当たりでしたかね
オレは悪くないよね!?
悪く・・・ない・・・
・・・
暴力振るってすみませんでした
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