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「稲ぴょんは全っっ然強そうに見えないのに、実はウワサ通り卑怯とかイカれてたとか最高じゃないすか。ダマして蹴るとかあり得ないっすよ」
・・・るせえよ
悪かったな
ホメてんのかけなしてんのか、どっちだよ
「何かもっと稲ぴょんを見てみたくなったんすよ。よく考えればミヤビちゃんと同じ血を引いてるんすから普通じゃないに決まってるっすよね」
だから、うるせえよ
しかも、ぴょんぴょんうぜえよ
リオは、オレに蹴り飛ばされたあの一件以来、何をどう勘違いしてしまったのか、こんな調子である。
「店ヒマですね」
「・・・」
オレはカウンターに立ち尽くしたまま、やる事もないのでコーヒーを淹れ直していた。
賞味期限が35分というフザけた規則のせいで、売れない時は1日に何回も作り直さなければならない。
忙しい時は放置する事もあったが・・・
女子店員もあがってしまい、店員は夜勤が来るまでオレ1人である。
ちなみにヒマ人のリオは、客として勝手にカウンター近くの席に座っていやがる。
腹が立ったので、オレはたまに熱々のティーパックなどをリオに投げ付けていた。
「あぢっ!な、何すんすか!?」
「・・・」
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