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何となくオレの友達ヅラをして、当たり前のように絡んでくるリオに少しイラッとしただけだ。
元々不機嫌なのには理由があった。
リオが誰かれ構わず、若い客にガンつけるのだ。
それも
『さっき特攻の拓全巻読んで影響されまくりました』ぐらいな勢いの、時代錯誤なあからさまのガンである。
その後、店員であるオレに話しかけてくるのだから、勘弁してほしいモンである。
ほとんどの客は関わらないように基本シカトしてくれるのだが、リオと同年代ぐらいの若者の中には一触即発な空気になりかけた客もいた。
客の中には、接客してるウチにオレと仲良くしてくれるようになった人もいるのだが、リオはその人逹にもお構いナシである。
そんな仲良くなった客がオレに話しかけてきた。
「稲本君、私服だけど確かアレも店員だよね?さっきから睨んできて居心地悪いんだけど、何とかしてくれないかな?」
アレとはもちろんリオの事だ。
「す、すんませんね、頭おかしくて何言っても聞かないんすよ。なんならブン殴ってくれて構わないんで。あ、せめてこれサービスしますけど食いません?」
こういう客はありがたい方だ。
中には・・・
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