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「稲ぴょん・・・アレ・・・何とかしてくんない?」
次の日、オレが作業中の時の事だった。
マミさんが何やらうんざりした顔をしながら、厨房に入ってきた。
何となく予想はついていたのだが、オレがカウンターにまで出るとそこには・・・
「ぶっ!」
真っ赤なディッキーズのシャツに、どこで入手したのか逆に聞きたいぐらいの鮮やかな真紅の太いズボン。
そして頭には赤いバンダナ。
しかも前で結んでいる。
セットアップなどのギャングファッションと言うよりは、本場のギャングそのものの格好だ。
これが池袋ウェストゲートパークの世界なら別にいい。
(ちなみに当時まだドラマはやっていない)
ロサンゼルスでもいいだろう。
だが、ギャングという言葉自体が多少しか流行っていない時代に、しかもたかがウチのファーストフード店で、1人でその完璧ギャングスタな格好はいかがなものだろうか?
完全に浮いている。
そんなヤツがレジ近くの4人席に1人で陣取り、ものっっすごい足を開きながらイスに深く座り、ジャンプだかマガジンだかを読んでいる。
てか・・・
室内で雑誌読むなら、そのいかにも安物なターミネーターみたいなサングラス外せばいいのに
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