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一応ジンが言うには、電車はあと30分は来ないと聞いていたのと、確かに全く来る気配も感じられなかったので思わず蹴り落としてしまった。
直前までのびのびと描いていた自身の放物線をなぞるかのように、バランスを崩してコントのように線路に落ちていくハジメ。
「だ!・・・わ!ち、ちょ!何、何すっだお前!あぶ危ねえだろが!」
すかさずホームのフチを掴まりながら、反論のセリフもカミカミに、慌てふためきながらよじ登ろうとしていた。
それを見てケタケタと大笑いするオレ逹。
「悪かった悪かった!ほれ、捕まれ」
オレはそう言いながらしゃがむと、手を伸ばす。
ハジメがオレまでを引きずり込みかねないと思ったので、もちろん細心の注意はしている。
その時ブレーンジンが・・・
「さすがにもう1回突き落とすようなマネはすんなよ?いくら何でもハジメが可哀想だからよ。絶対やんなよ」
と、ボソッとつぶやいた。
やんなよ!って事は・・・
やれ!って事だ
ハジメももうあきらめてはいたのだろう。
「わあぁぁぁぁぁ!」
オレ逹は再び悪魔のように大笑いした。
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