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店の自動ドアが開くと共に、オレは反射的に言葉を放つ。
「いらっしゃいませぇ・・・って、ミヤビか」
オレはミヤビが堂々たる雰囲気で、入店してくる姿を捉えた。
そして自然とミヤビの少し後ろに立っている男にも視線が移る。
この男がきっと彼氏役の助っ人として呼ばれたヤツだろう。
身長は遠目に見ても明らかに180㎝を超えていた。
見かけ倒しのリオと違い、決して肥満というワケではなく服の上から見ても締まった体型である。
そしてオレの視界の端に、険しい顔をして勢いよく席から立ち上がった、ハッタリ赤ギャングの姿が映った。
最初の勢いは確かに肝心かもしれないが・・・
悲しい事にリオの身にまとうオーラが乏しすぎる。
ただ・・・
問題はソコじゃない。
オレはミヤビが連れてきた男を見て、飛び出さんばかりに目を見開いた。
一瞬遅れてリオも気付いたようで、オレと同じ顔をしている。
「たっ、たっ、たっ、たっ・・・」
驚きの余り、オレはロレツがうまく回らなかった。
「何、兄ちゃん疲れてんの(笑)?」
ミヤビはそんなオレを茶化してくるが・・・
この暴力女!
なんつうヤツ連れてきやがったんだ!
地元では一番会っちゃいけない最凶最悪・・・
黒人のタズじゃねえか!!!
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