酒と涙と男と女

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ハッキリ言って、これがバイト仲間でのカラオケだったらこんなマネはしない。 マミさんが居るならなおさら好青年ぶる。 全裸どころか半裸ですらとんでもない。 だがこの時期のオレは、ある意味欲求不満だった。 性欲的な意味ではない。 自分を解放できる場所がない、という意味でだ。 専門学校のメンバーは楽しいっちゃ楽しいが、頭のネジがブッ飛んだようなヤツが居ない。 ファーストフードのバイトでもリアルな自分を解放できない。 ピザ配達のバイトは、色んな意味でネジがブッ飛んでるような人ばかりだが、一番年下で下っぱなオレなので、やっぱり思うように解放できない。 地元にミスターが居ない・・・ ジンも居ない・・・ ゴウキも居ない・・・ 何よりハジメが居ない・・・ きっとハジメ1人居るだけで、オレの生活は相当変わっていただろう。 高校の時は幾度となく 『死ねばいいのに』 と思ったヤツらだったが、居なくなって、こんなにも依存性があるとは想像もしていなかった。 特にハジメは中毒性が強い。
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