『怪物‐MONSTER‐からヒトへ・・・』‐ゼロ‐

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今通話中のマサの耳元からは、ストラップにしてはやたらデカいゲルググが、電車の揺れと共にブラブラしている。 ゲルググと目が合った気さえした。 もう・・・ ダメだ・・・ こらえきれん! 「ぶほぉうっ!うひゃひゃひゃひゃ!!」 ついに盛大に吹き出してしまった。 ハジメ君が ・・・って、ハジメもこらえてたんかい! まぁ確かにゲルググを抜きにしても、今時恥ずかしいぐらい痛そうなヤツだしな だが、そのせいでマサの目付きと雰囲気がさらに険しくなった。 佐川はその雰囲気を感じ取ったのか、オロオロしてるようにも見える。 マサは通話を終えて、ケータイを再び胸ポケットにしまうと、くわえタバコで立ち上がり、オレ逹の方へやってきた。 「ゴルァ!そこのたれぱんだ!何笑ってんだよ!!」 マサはこの車輛の乗客全員に聞こえるぐらいの怒声を張り上げる。 今気付いたのだが、マサはパンツが全部見えてるぐらいの腰パンだった。 そしてオレもついに限界が来る。 た、たれぱんだ・・・ 胸からゲルググがブラブラ・・・ 煙が目に入ってるのに、ムリしてくわえタバコしてるとか・・・ てか腰パンは腰パンでも限度ってモンが・・・ もう・・・ 「ぶはっ!うははははは!」
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