酒と涙と男と女

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「稲ぴょん!ちょ!ストップ!・・・防具着けても苦しいんだけど!」 腹を押さえてうずくまったリオは、そのまま非難の声をあげる。 そこで優しいオレは追撃する事を中断した。 「そりゃ、まともに食らえば防具着けたって痛いに決まってんだろうが」 「聞いてないっす!」 言ってないしな 「大体真っ正面から来たってムリに決まってんだろうが。不意を突いたりとかしねえと。前にオレにやられただろうが」 「?」 頭の悪さは相変わらずらしい。 オレはポケットからキーケースを取り出すと、リオに向かって緩やかな弧を描くように放り投げた。 「うわっ!?」 オレの一挙一動に敏感になってるのか、リオは大ゲサなぐらいの反応でキーケースから飛び退いた。 そしてその瞬間を狙って、オレは左ハイキックを繰り出す。 !! 当然一瞬とは言え、気が逸れたリオは反応が遅れ、側頭部にまともに蹴りを食らった。 と思ったが・・・ バラバラなフォームではあるが、何とリオは両腕でオレの蹴りを何とか防ぐ。 そう言えばガードとか避けたりとかの反射神経だけは結構優れてるんだっけコイツ それに、本当はマンガみたいにキーケースをキャッチした所を蹴り抜くハズだったんだけど・・・ まぁ、結果オーライでいっか!
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