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だがガードしたとは言え、手加減ナシの蹴りの衝撃を相殺できるワケもなく、リオの体勢はさらにグラついた。
「いだだっ!」
そして情けない声をあげたかと思ったら、ステップとは呼べないヨタヨタした歩法で後ろに下がる。
多分勢いに押されて、反射的に後退してしまったのだろう。
本当はこれ以上追撃する気はなかったのだが、ちょうどいい距離が空いたのを見て、ついオレのイタズラ心がムラムラと沸き上がってきた。
オレは左拳を腰で構え、腰を大きく落としてタメを作ると、すかさず飛び込んだ。
霍 打 頂 肘 !
「どわぁ!?・・・って、あれ?」
なんつってね・・・
オレはリオのふところに勢い良く飛び込んだが、ヒジは出さずに勢いも殺し、惰性程度の軽い体当たりでリオにぶつかる。
リオは両腕で無意味に顔面をガードするような体勢を取るのがせいぜいだった。
「お前、ホントに強くなりたいのか?ここまでうまく一方的に決まるのも珍しい事だぞ?」
オレは溜め息混じりの言葉と共に、リオから離れる。
「い、いや、どうしたらいいか分からなくて」
・・・それもそうだな
教えるってか、これじゃタダのオレのストレス発散だな(笑)
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