酒と涙と男と女

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除々に拳を使う事やフットワークに慣れてきたリオ。 だがこんなのは、あくまで組手に過ぎない。 別にケンカが強くなったワケではない。 リアルな実戦で格闘技のみが通用するのは、あくまでマンガや映画だけだ。 「稲ぴょん、何か必殺技的なモノはないんすか?そろそろ霍打頂肘教えて下さいよ」 組手にも慣れてきた頃、予想してはいたがリオが再び調子に乗ってきた。 オレはここまでの組手では、主にテコンドーベースの打撃技しか使っていない。 つまり実戦には向かないやり方だ。 そろそろ二段階目に入る頃だな 「アホか!霍打頂肘なんかお前にできるワケねえだろ。覚えたきゃ見よう見マネで覚えろ」 以前にも述べたが、霍打頂肘は強靭な腰と下半身の筋肉がないと、飛び込む勢いに負けて大きく威力が削がれるか、最悪思いっきりコケる。 「分かんないじゃないすか!」 「・・・分かった分かった」 最近こういう時のリオは、何を言っても譲らないという事が分かってきた。 「じゃあ、まず足をこんな感じに開いたら腰を落として・・・」 思いっきりコケちまえ
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