酒と涙と男と女

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なぜオレがケンカなどの実戦のイロハを教えるのではなく、わざわざ格闘技に沿った組手やら鍛練をさせているかと言うと・・・ リオの考え方がマンガなどに毒されているという理由もあるが、単純にケンカのやり方なんか、オレには教えられないからである。 そんなモン、場数を踏んで体で覚えるか、度胸をつけるしか方法はないと思っていた。 武器(スプレー等)だの目潰しだの不意討ちだのを教えればラクだが、道徳的にもリオの性格的にもあまり教えたくはない。 つまり拳や蹴りを使ったり技法的な事に慣れれば、ある程度度胸もつくのでは?と思ったのである。 あとは勝手に成長してくれ、的な・・・ 単純にミスターやゴウキがいなくなって、溜まりまくったフラストレーションをブツける組手相手が欲しかったというオレのエゴも強いが(笑) オレも学校やバイトがあったので毎日ではないが、リオと組手モドキをやるようになってから1ヶ月程は経っただろうか? 別に強くなったワケではないが、リオはオレの攻撃を避けたりガードしたりする動きが成長していった。 オレのクセが読めてきたというのもあるだろうが・・・ その頃になると、リオも所々オレに攻撃を当てれるようになっていた。
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