酒と涙と男と女

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組手に関節技も絡めると言ったが、リオには正直関節技まで短期間で覚える事は期待してなかった。 何と言えばいいのか説明が難しいのだが、打撃の応酬に絡める関節技と言うのは、頭で考えてからではなく体が無意識に動くぐらいでなければ実戦には向かないと思っている。 人体の仕組みに慣れてくると、自然と覚えていたような気もする。 だがリオは関節技からの打撃がお気に入りだったのか、ムリな場面でも使おうとする。 頭で考えてから動くので、そのスキに大体オレに反撃されるのだが・・・ 「稲ぴょん、もう1ヶ月以上経つけど・・・オレ強くなったっすかね?」 いつものように防具を着けながら、リオはつぶやく。 この頃になるとオレも遊び半分に手加減できる余裕がなかったので、オープンフィンガーグローブを着けていた。 「そういう事はオレに一発でもキレイな一撃決めたら言え。オレだって大して強い方じゃないんだぞ」 「俺いつになったらハルの彼氏ブッ飛ばせるんだろ」 リオは溜め息を吐く。 そういや、元はそれが理由だったっけ オレ忘れてた(笑)
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