酒と涙と男と女

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オレは待ち合わせ場所であるバイト先の店に、あえて1時間ぐらい遅れて行く。 理由? 何となく気に入らな・・・ じゃなくて、少しぐらいはリオとハルを2人っきりにしてやろうっていうオレの親切心がだな・・・ まぁ、そんな感じですよ 「あ、お疲れ~っす」 オレが店に入ると予想通りリオとハルはすでに客席に居た。 遅れた事で少しは怒ってるかな?って思ってたのにリオもハルも満面の笑顔である。 これで、怒ってる所をさらにおちょくるダンスで逆上させようっていうオレの計画はパーだ。 「けっ」 それが実につまらないので、遅刻しておいて逆にフテ腐れる器の小さいオレ。 ところで・・・ 「稲本さん、こんばんは」 ハルだけだと聞いていたのに、なぜユウカも居るのだろう・・・ オレはリオに目で問い掛けてみたが、普段から空気が読めないリオがオレの意図を察するワケもなく、涼しい顔でタバコを吸っていた。 なので、タバコに火を点ける時に間違えたフリしてリオの前髪に火を点けてやった。 「アチチッ!何すんすか!?」 「わりわり、タバコと間違えちった」
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