酒と涙と男と女

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飲みに行くとは言ってもオレ達は全員未成年だ。 いちばん年上のオレですら18才である。 当時は時代的に未成年でも普通に入れる居酒屋も多かったが、さすがに18才が16才と17才を引き連れて店に入るのも、さすがに気が引けた。 さらに言えばこちらが主な理由だが、学生2人と無職2人のオレ達に金なんかあるワケがない。 「じゃあ、誰かの家で宅飲みしましょうよ」 結局こうなる。 「つっても誰んチにするよ?」 オレが溜め息混じりのタバコの煙と共につぶやくと、自然とリオとハルが無言でオレの方を見る。 リオの家はマンションなのであまり騒げない。 ユウカはどうか知らないがハルの家も家庭の諸事情により、あまり長居はできない。 「・・・しかないよなぁ」 従って、夜中に騒ごうが長居しようが比較的親がとやかく言わないオレの家に決まってしまった。 そうと決まればコンビニでまず買い物に行く。 ジンロをカゴに突っ込み、後は適当に各自アルコールを割れそうな飲み物等を入れていく。 そして出来上がった後、酔いが足りない時のために鬼殺しのリットルパックを突っ込んだ。 実はオレやハジメ達との宅飲みの時の定番コースである。
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