酒と涙と男と女

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どうやらオレは寝ていたようだ。 寝グセは触らなくても分かるぐらい酷いだろうし、口元にはヨダレの跡がついているだろう。 夢を見る事もなく、素晴らしいぐらい熟睡していた気がする。 なのに延々と聞こえてくる雑音が耳障りで、目が覚めた。 どうやらその雑音の音源はオレのケータイのようだ。 オレはディスプレイの名前を見る事もなく通話ボタンを押した。 「もしもし・・・てか誰?名前見なかった」 『アンタねぇ・・・』 何と着信は同じ屋根の下にいるハズの母親だった。 「何だよ?」 「夜通し騒ぐのもいいけど犯罪だけはやめてね?どしたのその娘?平気なの?」 寝起きのオレには母親が言ってる意味が全く理解できない。 そこで返事の代わりに頭を整理する事にした。 回りを見渡すと、どうやら時刻は昼をとっくに過ぎてるらしい。 そして一緒に飲んでいたリオとハルとユウカの姿が見当たらなかった。 あれ? オレみんなと飲んでたよな? 何でいつの間にか明るくなってて、しかも誰もいないんだ? 帰ったのかな ・・・? だがオレは次の瞬間、母親が言ってた意味が少し理解できた気がした。 え~と・・・ 何でユウカがオレのベッドで一緒に寝てるんだろ ・・・ しかもほぼ全裸で!?
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