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前田さんはアホである。
念を押すようだが、溢れんばかりのカリスマ性はあっても・・・
アホである。
くるくるぱー部隊をまとめる総帥なのだから。
オレには前田さんが最悪な勘違いをしているとしか思えなかった。
みるみるウチに前田さんの顔付きが変わっていく。
それこそ悪鬼羅刹の如く・・・
「テメェかゴラァ!!最近ウチのモンにちょっかいかけてた命知らずなアリストは!!」
前田さんは重機のような豪腕で、オッサンの胸ぐらを掴む。
それこそ店のガラスが衝撃で割れるんじゃないかと思うぐらいの怒声だった。
くどいようだが、パッと見のオッサンの外見はスジ者のような威圧感を持っている。
だが前田さんはそのオッサンが初見にも関わらず、わずかすらビビる素振りを見せず、片手で持ち上げるぐらいの勢いでオッサンを掴んだ。
「な・・・な?・・・な!?」
むしろオッサンの方が、いきなりの展開と前田さんの勢いに、軽く引いてすらいた。
「ま、ま、ま、前田さん!・・・ちょ!」
そんな悪鬼羅刹の姿に、慌てる秦野さんとオレ。
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