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「・・・」
バキと勇次郎が対峙した時のように、前田さんと店長を中心とした空気が歪んでいく。
だがそれも一瞬の事で、店長がその状況を打破した。
「ぶほぅっ!?」
店長のいつもの蹴りではなく、鞭打のような張り手が前田さんの頭をハリ倒す。
たまに見る光景ではあるが、今回の張り手は手加減というものを全く感じなかった。
「いい加減にしろ前田!」
「あぁ゙!?」
オレと秦野さんは核ミサイルボタンを間違えて押してしまった時のように
『うひぃぃぃ!』
ってなったが・・・
「そのアリストとは別件だバカ!そもそもアリスト狩りもアタシは許した覚えはない!」
・・・
オレは違う意味で頭を抱えた。
前田さんと店長の今のやり取りは、オッサンの目と鼻の先である。
店長が全てブチまけた事により、前田さんが勘違いで手をあげたという事が、確実にオッサンにバレて・・・
オッサンがソコを突いてきて再び有利に持っていってしまうのではないか?
と思ったのだ。
その後もオッサンそっちのけで2、3の怒鳴り合いが続いたが、ようやく前田さんは理解したようである。
オッサンは今が優位に立つチャンス!と思っただろう。
オレはため息を吐いた。
いや、平和な頭のオッサンに対してね?
だって・・・
常識が通じない前田さんだよ?
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