9289人が本棚に入れています
本棚に追加
/992ページ
当然誰しもが倉庫内での出来事が気になったらしいが・・・
ハッキリ言ってこういう時の前田さんと根岸さんを刺激する事は、すなわち死を意味する。
倉庫の中からは時折
『すみませんすみません』
『勘弁して下さい』
等といった悲痛な声が聞こえてきたという・・・
「二度とちょっかいかけてくんじゃねえぞアホが」
しばらくすると、アリスト野郎は蹴り出されるように店外へと放り出され、解放された。
『尋問』してただけのハズなのに、ナゼかアリスト野郎は来た時よりもさらにボロボロになってたらしい。
肝心のウチの店のドライバーばかりを狙った理由だが・・・
何の事はない。
アリスト野郎は同じ地区のデリバリー寿司屋で働いていて、以前配達中にウチのドライバーに散々アオられたらしい。
結局誰だったか判明しなかったが・・・
その怨みから、軽い気持ちでウチのドライバーをマトにかけたようだ。
厳密に言えば発端はウチからという事になる。
・・・
そんな何とも言えないオチで、アリスト狩りの一件は幕を閉じた。
オレは後日根岸さんに聞いてみた。
「そういやアリスト野郎に投げ付けられたスパナどうしたんすか？」
「あぁ、スパナね・・・」
「ちゃんと持ち主のアリスト野郎に返してやったぞ。そしたらあの野郎、泣きながら喜んでたよ」
・・・
一体どういう返却手段で返したんだろ
最初のコメントを投稿しよう！