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勝負内容はこうだ。
この寒空で、どれだけ薄着で配達に行って普通の顔で帰ってこれるか？
もちろん一度店を出てしまえば、帰ってくるまでは寒くてどんなに後悔しようがその格好である。
ちなみにこんな事をやれるのも、この日は店長が休みだったからだ。
一応準社員である副店長は居たのだが・・・
店にとっては非常に残念な事に、副店長もコッチ側寄りの人間である。
一緒になって笑い転げていた。
ジャンケンで順番を決めた一番手や二番手は夏用のズボンと制服の薄手Ｔシャツで配達に出ていった。
帰ってくる頃には、ドライバーの顔は寒さで蒼白である。
バイクの体感温度は通常の比ではないからだ。
三番手だった前田さんは、下に着ていたタンクトップとズボンだけで配達に行く。
この勝負は、同格好で配達先の接客もしなければならないハンデもあった。
客からしてみたら目を疑う光景だっただろう。
ピザを頼んだら、タンクトップ姿で両肩と両腕にガッツリタトゥーが入っている凶悪な人相のドライバーがピザを持ってやってきたのだから・・・
常に薄着で２４時間頭のネジが外れているあの前田さんすら、寒さに身を震わせながら帰ってきた。
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