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そこで店で1~2を争うアホさ加減を誇る秦野さんが立ち上がる。
何とこの極寒の中、上半身裸で配達してきた。
配達された客は一体どういう気持ちだったのだろうか・・・
いつしか前のヤツより薄着にならなければいけない的な暗黙のルールができあがっていた。
次はオレの番だ。
まだ後ろにドライバーは控えていたが、秦野さんを超えなくてはならない。
クソ寒いけど・・・
もうパンツ一丁で配達に行くしかない
ナゼか今パンツ一丁の単語で、出前一丁の男の子の顔が浮かんだわ
いやいやそれはどうでもいい
そんなんが配達に来て、客はどんな顔すんだろ・・・
さすがにクレーム来る・・・よな・・・
でもここで生ぬるい事すれば、一生この店でヘタレの十字架を背負う事になる!
若い頃特有の、よく分からない負けん気でオレは勝負に挑んだ。
「笑顔と安全運転で行って参ります!!」
出ていく前の唱和も、いつもより気合いが4割増しだ。
「ぎゃははははは!」
「うっひゃっひゃっひゃっ!」
後方からドライバー仲間の盛大な笑い声、と言う名の見送りが聞こえてくる。
そりゃそうだ。
パンツ1枚ではなく、コッソリ店の外で取ってきた小さな葉っぱ1枚で出ていったのだから
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